2013年7月3日水曜日

試験布染 桜 葉

桜の葉を試験布染で染めてみました。

今日の題材は染料と水量の問題です。
私共は試験布の結果によって大きな鍋で染料、水の
割合を合わせて染液を作っています。

2L当たり○○gがいい色が出るとなれば
20L当たり○○×10gと水と染料の割合を合わせていました。

しかし、大鍋で煮出せば沸騰することで失われる
水分量は違うわけです。
今回はそこを明確にするために実験を行いました。
前回桜の葉で試験布染をした時に一番赤みの染まった
2L当たり30gの割合を今回は使いました。

上の写真を見ると色味にかなりの違いが見られます。
しかしこの染液は両方共に同じ染料、水の割合で煮出されています。
そしてどちらも沸騰するまでの時間、
沸騰後の時間はほぼ同じです。

左が2Lに30gの染液(10cc)です。
右が10Lに150gの染液(10cc)です。

この写真は媒染前のものです。
2Lでに出したものに比べて10Lの方には黄味が見られません。

なぜ、このようなことになったかと言うと冒頭でも書きました
沸騰によって失われる水分量があまりにも違いすぎるからなのです。

2Lで煮出したものは最終的に0.7Lまで減り、10Lで煮出したものは
8.5Lまで減りました。

2Lが全体の65%の水分を失っているのに対して
10Lでは15%しか失っていないのです。

当然濃度にかなりの差が出てしまい試験布通りとは行かなくなるわけです。
媒染終了後を見ても違いは明らかです。

それでは試験布をやることに意味がないのかというとそうではありません。
試験布はそのグラム数差や時期の差を学ぶために
重要な手段であり情報です。

それを通すことでその染料の系統や癖、
ベターな煮出しの方法を模索することができるのだと思います。

ただ今回の様に試験布の結果に頼った時
他の要因で違う結果がでることを常に考えるべきなのかもしれません。

おまけ
最初に色を見るために皿に取っておいた液を
一時間おいた写真です。
双方共に赤みが増しています。

桜の葉は時間を置き酸化させることで黄味が赤みに変わっていく特徴があるようです。

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